汗でデトックスになるのか?
[quads id=1]何年か前、いたるところでゲルマニウム温浴という看板を見かけました。
ゲルマニウム温浴をして、汗をたくさんかいてデトックスしようという効果が謳われていたと思います。
ゲルマニウム温浴だけではなく、岩盤浴などでも同じようなことが効果として挙げられています。
確かに汗をかくと気持ちが良いですし、時にすごく臭った汗が出てくることもありますから、そこにデトックス効果を感じることは多いのではないでしょうか?
しかし実際にどれだけの有害物質がデトックスされているのでしょうか?
ということで、気になるニュースがありましたがのでご紹介させていただきます。
[quads id=2]【ニュース記事】
汗そのものよりも、発汗機能という意味で
東洋医学、特に『黄帝内経』といった古典・古医書の中には、汗によるデトックス効果を謳ったものはありません。むしろ、冬に汗をかくことは正気を漏らすことにつながるので、常に汗を出すことを推奨しているわけではありません。
ということで、東洋医学の立場からすると、「汗をかいてデトックスしよう!」というのには違和感を感じていました。
今回引用した記事にもありますように、解毒作用は肝臓と腎臓がメインですから、汗でデトックスというのは医学的に言っても無理があります。
では、かといって全く汗をかくこと自体を否定してもいいのかどうか?
というと、それもまた極端であります。
そこで思うのは、汗をかくことの効果は、デトックス効果よりも、汗腺の開閉機能を維持するということにあるのではないかということです。
[quads id=4]一年中エアコンが効いた快適な室内の中で生活することになれてしまった体は、気温の変化に適応していく能力が低下していることが多いです。本来であれば、暑い日は汗をかいて、体温が上昇するのを防ぎますし、冬は熱を逃がしてはいけませんので、汗は極力かかないようにしておこうと体は反応をします。しかしこの反応ができなくなってしまったのが、現代の生活です。
こういった汗腺の開閉がうまくいかないことによって起きる不調で大きいのは、これからの季節に出てくる熱中症です。
地球温暖化のためか、酷暑の日が増えている日本の夏ではありますので、しっかり汗をかく機能を維持していきたいところです。
汗をかくことを忘れてしまった現代の生活で、汗腺の開閉をしっかりと維持していくことは大切です。そのためにも、これからやってくる夏の過ごし方は大事になりますね。
デトックスという意味ではなく、発汗とうい面で、汗に注目したいものです。
[quads id=3]鍼灸師はもちろんでありますが、こういった間違った医療リテラシーに振り回されないようにすることも大切ですね。
都内で鍼灸師をしています。国際中医師の免許を取得するため、勉強中であります。
コメントを残す