『中国鍼灸各家学説』 魏稼 東洋学術出版

鍼灸の本-東洋医学・漢方・鍼灸を学ぶ

著者 魏稼(編集)佐藤実(翻訳)
発行 東洋学術出版社
価格 3570円(税込み)
お薦め度 ☆☆☆☆
『黄帝内経』が完成して2000年の歴史がありますが、この間に登場した著名な歴史上の医家を紹介した本です。臨床に直接関係はありませんが、今後の資料探しや、古医書を読むときの参考になります。

鍼灸の歴史は、遥か昔に骨鍼や砭石(へんせき)といったものが発明されてから始まりました。

そして今から2000年以上前に、『黄帝内経(こうていだいけい)』という原典が完成されました。
この原典の出現によって、鍼灸医学は体系化され、発展が始まりました。

その後この『黄帝内経』を基にしながら、各時代に現れた医家たちが、時代の要請に応えながら、そして臨床経験の中から『黄帝内経』の解釈を深め、さらに適応を広げ、今日まで繋がってきた歴史があります。

その発展に寄与した鍼灸医師は、有名無名含めてたくさんの数に上ると思われます。
その中でも、この本では、歴史的に見ても大きな功績を残した重要な鍼灸医家を集めています。




最初の総論においては、鍼灸の流派を改めて分類し、そしてその系譜を明らかにし、東洋医学の進展を記しています。各名医たちのプロフィールや時代背景などを理解することで、専門家にとっては古医書をより深く理解するための役に立ちますし、一般の方にとっては、鍼灸の発展の歴史を突っ込んで理解するのに役立つと思います。

漢方薬の視点で以下を分類した本はいくつかありますが、鍼灸という視点で医家を分類している本は少ないので、そういった意味でも貴重な一冊となります。

タイトルには“鍼灸”の文字がありますが、鍼灸だけではなく、東洋医学全般のお話しも多いので、漢方を専門にする方にとっても有効な内容となっています。

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